『わたしはしらない』(小話)

いやはやようやっと隠裏戦が一段落つきました。
実は金鹿が喋る話もあるんですが(下書きはできてる)、これは後回しでも平気そうなんでガンガン無視します。丸投げ上等です。

で、今度は決闘祭2ですね。楽しみです。
ちなみにこちらは於藤を出します。悪役です。頑張る。

と、意気込んだところでペンタブ紛失したわけですが^q^
しかも直接原因弟なのに私が自腹で買い換えとかもうね…! なぁにこの理不尽。
先月今月で出費かさんでてお財布にお札がない状態でこの仕打ちですよ。
ちくしょう悔しいから新しいのはいいやつ買っちゃる。今後2、3ヶ月ジリ貧確定だけどな!!!

まぁ愚痴はこのくらいにして。
やたら夫婦がいじられてる今日この頃。いやまぁ話題上げていただいてるだけむしろありがたいんですが。
絵が描けない状態なんで久々に文字ネタ投下してみる。
いつか漫画に直して本編に出せたら素敵。

『わたしはしらない』





色とりどりの着物は着ない。
化粧は最低限にすませる。
色恋沙汰は好ましいと言えない。
社交性も程々に。

私にはそんな華やいだものは似つかわしくないから。



妹がいる。
2歳年下の、近所でも可愛がられているとても華のある娘だ。
実家と縁を切ってから数年、久々に見かけた彼女は一層綺麗になっていた。
色鮮やかな着物を着こなして、趣味のいい化粧を施している彼女の周りには、男女問わず人が集まっていた。
私とは、本当に真逆。

私は、実の親に名前で呼ばれたことがほとんどない。
決して女性らしいとは言い切れないこの名前を、あまりよく思っていなかったのだろう。
一人立ちをして自分なりに交友関係を拡げるまで、私を本名で呼んだのは名付け親でもある亡き祖父くらいのものだった。

妹は、両親から花の名前を授かった。
いかにも華やかで女の子らしいその名前を、妹自身も両親もひどく気に入っていた。
必要最低限しか呼ばれない(しかも本名ではない)私の名前の何倍もの回数を口にしていただろう。

けれど、それは別にどうでもよかった。
面白味に欠けて華やかさもない私と、可愛らしく誰からも愛される妹。
その差は一目瞭然だし、認めざるを得ない事実だと思っている。



が、昨今の私の周囲ときたら何だというのか。

ただの調査対象として近付いたはずの異性が妙になついて、挙句、やれ嫁入りだと騒ぎ立てた。
その妹からは『義姉』と呼ばれ、滞在先の人々からも嫁入りしたかのように扱われる始末。
最近は周りの目もそれに準拠し始めた。
これは、とても困る。
私には、全部が全部向いてないことなのだ。
事務的な関係であるならともかく、人に慕われたり、特定の異性になつかれ求婚までされる。
周りには(元が極端に少なかったとはいえ)今までの許容範囲を越える人々が集まる。
その、妙に浮わついたとも思える賑やかな空気は、私には馴染みがなさすぎるのだ。


いっそこの立場も妹がさらっていってしまえばいいのに……!


だって、私にはこんな素敵な場所は似つかわしくない。
この場は妹のような女性に任せて、私は隠れていた方がいいに決まっている。
今までもそうだったじゃないか。

けれど、そうしたら……







｢……? なぜ、私は快く思えないのかしら｣



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お陰様で文車が所帯染みてというか感情的になってきました。わぁ描きやすい。
最初のうちは軍人気質のキツい女、っていう方向でいくつもりでした。
なので多分、いわゆる『嬉しい誤算』てやつなんだけども。
今回の隠裏戦エピもそうなんだけど、動かすたびにズレていきます^q^
これが本人にとっては『進歩』なのか『後退』なのか。さてはて。
ちなみに妹は｢なずな｣。春生まれ。対する文車は秋生まれのイメージ。



BGM
｢私生活｣
｢黄昏泣き｣(東京事変)
｢ハツコイ娼女｣(椎名林檎×斎藤ネコ)